"劇場版アニメに於ける古楽器"
今年2018年の2月より全国映画館で公開されている映画
「さよならの朝に約束の花をかざろう」
監督:岡田麿里
音楽:川井憲次
主題歌:rionos
この映画に於いて劇中にハーディガーディとリュートの演奏シーンがあり
その両者の楽器の演奏を担当しました。※サントラ収録も含む
劇場版アニメで登場する古楽器の演奏シーンといえば
スタジオ・ジブリの「耳をすませば」が古楽界隈では良く知られるところであり
ツィンク、リコーダー、リュート、ヴィオラ・ダ・ガンバetc
日本古楽界の諸先輩方がそれぞれを担当なさったと聞及んでます。
アントネッロの濱田芳通氏はこのときツィンク、リコーダー、パーカッションの三刀流だったとか…
ちなみに映画公開時は僕は中学生?くらいで、剣道部で音楽とは無縁の日々竹刀を振っている生活だった為
このシーンに注目したのは大分最近です。
音源のみの映画サントラでのレコーディング参加はこれまでもいくつか経験があるのですが
劇中での演奏シーンで楽器および奏者の登場というのは初めてでした。
音源としての収録、および作画の資料提供のためのモーションを撮ったり
僕の演奏フォームや奏法やがそのまま作品の中に描かれ、短いシーンではあっても観た人たちに
これが“ハーディガーディ”、これが“リュート”という認識を植え付けることになると考えると
古楽器奏者としての責任感もありました。
使用した楽器
・ハーディガーディ:イタリアのSilvio Orlandi氏2016年製作のハーディガーディ
2年前のハーディガーディを始めるにあたって、最初の楽器をGetする過程に於いて、某オークションで中古で出ていたものを一度負けて落とせなかった楽器です。このときは相当な値段まで吊り上がりました。
そして別の楽器で弾いてた矢先、再び某オークションサイトにて、まさかの新品の出品!!
最低額で入札し、幾らまでつり上がるかなぁ~と様子を見ていたところ…
なんと最後まで誰も入札せずに、そのままGETとなりました!!
楽器は想像以上に音量が豊かで明るく音抜けも良い楽器でした
本当に良い買い物をしたという感じで、そのまま今も愛用し続けております
先日劇場で実際に登場するシーンを見たら、楽器のシェイプがまさにその楽器そのものの状態で
描かれてておりました♪今後ブルーレイやDVDが出たら、製作家のSilvio Orlandi氏に画像にして
送ろうと思います
・リュート:渡邊広考氏1996年製作の中世リュート
リュートの師である永田平八先生から譲っていただいた楽器
先に挙げたアントネッロのCD収録にも使用された楽器という歴戦の勇士です
僕がリュートを始めるより前に一度大破したらしく、修復後僕のものになっても何回かペグボックスが外れたりして
それでも不死鳥の如く蘇ってきました。
実は僕の劇伴レコーディング仕事の中で最も多く使ってる楽器です。 今回は曲に入る前に別録りでウォームアップシーンのフレーズも弾いたのですが、劇場で「これいつもの僕の手癖だなぁ」と思い観てました 。
ストーリー、描写、音楽、本当にどれも素晴らしい作品で、そんな素敵な作品の中のひと欠片でも関われたことはとても有り難いこと。観たお客さんの感想にもハーディガーディやリュートに気付いてくれた人が結構いてくださって嬉しかったです。
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